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カーボンフットプリントとは?算定方法から課題まで分かりやすく解説 - コラム

カーボンフットプリント(CFP=Carbon Footprint of Products)とは、製品やサービスにおける原材料調達から使用、廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガス(GHG=GreenHouse Gas)排出量を、CO₂排出量に換算して数値化したものです。これにより、環境負荷を可視化し、削減に向けた指標とすることができます。

本記事では、カーボンフットプリントを算定する重要性や算定方法、課題について解説します。

カーボンフットプリントとは

カーボンフットプリントとは、製品やサービスにおける原材料調達から使用、廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出されるGHG(温室効果ガス)排出量を、CO₂排出量に換算して数値化したものです。
例えば工場で製品を生産する際に使用されるエネルギーや輸送に伴う燃料燃焼で排出されるGHG排出が算定対象として該当します。また製品を製造するために調達された原材料も、原材料の製造時にGHGが排出されたため算定対象とします。

カーボンフットプリント=商品・サービスのCO2排出量の総和を示す指標

カーボンフットプリントの重要性

カーボンニュートラルが意識の高まりを見せる社会では、企業の競争力強化のためにカーボンフットプリントが重要性を増しています。
例えばEUでは炭素国境調整メカニズム規則(CBAM:Carbon Border Adjustment Measure)と呼ばれる法令が始まり、対象製品(鉄や鉄鋼など)をEUに輸出する事業者は、製造の過程で排出されるCO₂排出量を報告する義務があります。2026年以降は報告された数値を元に、CO₂排出量に見合う金額を支払うことでEUへ輸出を行うことができるようになります。

上記のような規制にカーボンフットプリントが用いられるほか、ステークホルダーへの開示や、取引先からの開示要請など、今後益々カーボンフットプリントの算定・活用が求められるようになります。

カーボンフットプリントの算定方法

カーボンフットプリントの算定を4ステップで解説します。

  • STEP1:算定範囲の定義
    カーボンフットプリントを算定する際は、どの範囲を算定対象とするか決めます。この範囲の決定は、国際規格や業界のガイドラインに沿って行われます。
    例えば、化学品は原材料調達から製造までの範囲で算定されることが多いです。
  • STEP2:データ収集
    算定の基礎となる活動量と排出係数のデータを収集します。
    ・活動量:例)使用された原材料の量、エネルギー消費量、輸送距離、廃棄物の量 など
    ・排出係数:活動量をCO2排出量に換算するための係数
    例)電力1kwhあたりのCO2排出量、燃料1LあたりのCO2排出量 など
  • STEP3:カーボンフットプリントの算定
    収集したデータを基にCO₂排出量を計算します。
    CO₂排出量=活動量×排出係数
    各ライフサイクルのCO₂排出量を合算した数値が、カーボンフットプリントとなります。
活動量(電気の使用量、貨物の輸出量、廃棄物の処理量)X排出原単位(CO₂削減)

カーボンフットプリントの課題

カーボンフットプリントの算定には、専門性が求められることや一連の算定業務の負荷が大きいことが課題として挙げられます。
これらを解決するためには、外部のカーボンフットプリントのエキスパートの支援を受けることや、算定業務の効率化を実現するシステムの導入が効果的です。

しかし算定に取り組むことによって、自社の環境配慮型製品を定量的にアピールすることや将来的なカーボンフットプリントとを用いた規制への対応などが可能となり、製品の国際的な競争力の維持・強化につなげることができます。

BIPROGYの取り組み

BIPROGYは2024年12月より、化学品に特化したCFP算定支援サービス「EcoLume」を提供しています。EcoLumeは、算定業務代行サービス、算定支援コンサルティングサービス、CFP算定システムと3種類のサービスを展開することでお客様のCFPに関する課題を包括的に解決します。